転職の目的は人によりそれぞれ異なり、キャリアアップや職場環境の改善など多岐にわたる。そのため、会社側も中途採用で募集する際には、新卒採用とは違った目的で募集するケースが多く、経験者のみに限って募集するケースも少なくない。これは、会社側が即戦力を求めている証拠であり、中高年の応募者に求めるのはその道のスペシャリストという役割がほとんどだ。したがって、求人にも最低経験年数の記載やマネジメントの経験を積んだ人材を対象にしているものが目立つ。この傾向は、中高年の転職の大きな特徴と言えるだろう。
企業は中高年の人材をゼロから育てるわけではなく、これまでの実績を活かして、会社でさらなる功績をあげてくれることを期待している。だから、これから中高年の方が転職を検討する場合は、ただやみくもに応募することはとても効率が悪くなるだろう。自分の経験が活かせる職場であればそれを全面的にアピールし、即戦力になることを認めてもらわなければ、採用は厳しくなるだろう。
しかし、問題になるのは、経験もなくまったく新しい職種に応募する場合だ。このような場合は、なるべく人材不足が深刻化している分野を狙うようにしたい。例えば、介護職は人材不足が問題になっており、未経験でも募集している求人が多い。それだけではなく、中年の応募者でも受け入れてくれる施設は多い。このような人材不足に悩む分野にターゲットを絞ると入社しやすくなるだけではなく、入社後も研修などを通してステップアップできることが期待できるのだ。これを踏まえて入念に準備を進めていくことが、中高年の転職には欠かせないのではないだろうか。